虹の誘惑

ポロネーズ&朝倉令/共作  2006-07-17投稿
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ガシャッ!という音と凄まじい衝撃が俺を襲った。


バイクごと空を飛んだ瞬間、七色の虹が目に映っていたのが最後の記憶だ。





「あ、良かった〜っ。生きてたのね?……」


「まぁな。
ここ、…どこなんだ?」


「私の家。 ゴメンなさい、車ぶつけちゃって……」


頭を下げて謝る娘は、長いまつ毛を伏せて涙を浮かべていた。


 はっきり言って俺は女の涙に弱い、……というより美女に弱い。



 今回もさしたる怪我が無かったため、彼女の残り香漂うベッドで少し寝かせて貰っただけで、俺は立ち去ろうとした。



「今回も」と言ったのには理由がある。


 俺は、雨上がりで綺麗な虹の出た日は、必ずアクシデントに見舞われる、という皮肉なジンクスを持っているのだ。




 前回は初心者マークのミニバンに追突され、その前は美人トラッカーにバックでぶつけられ……


いずれの場合も相手が飛びっきりの美女とくる。





「ダメ! そのまま帰られたら私の気が済まないわ」

「そうか?…」






やはり今度も、女の家にしばらく居候する羽目になった。



…ミニバンのお姉ちゃんの家を出たばっかりなのに。


そんなわけで、俺は一年くらい自宅に帰ってない。





 虹は、新たな誘惑をもた らした。







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