いつかまた〜8〜

友愛数  2009-06-09投稿
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「何してるの?」


ある日の昼休み、中庭の芝生に座り込むちさを見つけた。

振り返ったちさの膝には、仔猫よりは大きい、でも大人にもなりきっていない『中猫?』が、ゴロゴロ喉を鳴らしながら、気持ち良さそうに目を閉じていた。

「あのね」

「うん」

「花のデッサンをしようと思ったら、猫がやってきて」

「うん」

「猫のデッサンしようと思ったら、どうしても膝に乗ってきて」

「うん」

「でもその方がじっとしててくれるから」

そうして見せてくれた絵は、真上から見た猫の……後頭部?
丸まった胴体と合わさると、なんだか気が抜ける。

きっと猫に「ここでじっとしててね」なんて話かけながら、四苦八苦したんだろう。で、最後に諦めたんだろう。

目に浮かぶようで
「ふっ」
笑った。



「かたつむり…?」(←響)



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