この世には平行世界と呼ばれるふたつの世界がある
「アロマニ」
「レイウォル」
このふたつの世界は表裏一体、いままで交わることはなかった、
そう、いままでは…
〈アロマニ〉
夜更けに街では、二人の少年が街はずれに向かっていた、
「おーい、レミアス、ホントに行くのかよ」
緑の髪をした少年が青髪の少年に問う、
「バーカ、もとはといえばセレンが町外れの池から光がでてたって、言ったからだろ?」
セレンと呼ばれた少年は今朝のことを思い浮かべた
「そりゃそうだけど、なにも夜じゃなくていいじゃん」
「夜だから、楽しいんじゃねーか!」
レミアスは目を輝かせている、
それに反して、セレンは怪訝そうにレミアスを睨む
「いざとなれば、魔術もあるし、大丈夫だろ?」
レミアスはフォローするようにそう付け加えた、
「そんなもんかねぇ」
セレンは空を見上げながら呟く、
空には雲ひとつない、月が浮かんでいるだけだ、
なぜか、セレンは身震いをしてしまった、
なんとなくだが、今日は家に帰れないのでは?
と、いう考えが頭をよぎる、
その考えを追い払うかのようにセレンは頭をブンブンとふる、