目を開くと、佐原くんがいた。
「佐原くん?」
何も言わない。
フラッ。佐原くんが、倒れた。
「佐原くん!しかっりして」
倒れかけた佐原くんを
受け止めた。寝かせると
ひどい傷だった。
特に、腹部は血だらけで
どうすればいいか、わからなかった。
「佐原くん。しっかりして」
れいは、京介のほほに手を置いた。
「ゴメン」
苦しそうな顔をして言った
「しゃべらないで。…お願い。」
京介は、わかってくれたか
黙ってくれた。「大丈夫。佐原くん アタシが守ってあげる」
涙をふいて、れいは立ち上がった。
すると、れいの目の前に
巨大なとびらが現れた。
始めて見るのに、ふいに
懐かしくなってきた。
一度ここに来た事があるような感じがする。
れいは目を閉じた。
このとびらを開けると、
この先には、きつい試練が
待っている。…でも、アタシを
守ってくれた佐原くんの
ためにも。そして、アタシのためにも。
アタシは、目を開いた。
もう、恐れるものはない。
悲しみもない。あるのは、
救いたい気持ちと未来のため。
行こう。
ギィー。とびらが開いた。
れいは、とびらの中に
入って行った。