奈央と出会えたから。<369>

麻呂  2009-06-10投稿
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それから、



社会科の授業が終わっても、



次の国語の授業が終わっても、



その日全ての授業が終わっても、



あたしの携帯に、聖人からの連絡は無く、



あっと言う間の放課後――



『奈央。帰ろ。聖人なら心配ないって。
落ち着いたら何か連絡があるわよ。』



『うん。でも、やっぱ、まだ処分が決定する前だから、派手な行動をして欲しくないし‥‥。

京谷さんがバイクに聖人を乗せて、どこへ行ったのかも気になるし‥‥。』



『もしかして‥‥森宮についての情報を得たのかもよ?!』


『う‥ん。でも、どっちにしろ、聖人から連絡が無いと分かんないし‥‥。』



『んもうっっ!!
奈央ってば!!

くよくよ考えないのっっ!!

もう帰ろ?!ね?!』



『あは。そだね!!
でも、ユカも家に帰りにくくない?!

校長が、今日のコト、ユカのお父さんに報告するって‥‥。
渋川が言ってたじゃん?!』



何てったって、



ユカってば、



森宮にビンタしちゃったんだからっっ。


あたしだったら、絶対、家に帰りたくないっっ。



『チクリたければチクればいいのよ。

あたしは別に、真実を言っただけだから。

大人の事情なんて、知ったこっちゃないわよッッ。』



そんなあたしの心配をよそにして、



ユカは強気な言葉を返してきた。



『ユカ。変わったね。』



思わず、口から飛び出してしまった一言。



あたしの一言に、ユカは不思議そうな顔をしてた。



『そう‥‥かな?!
自分じゃよく分かんないケド‥‥。』



そう言って、ユカは笑った。



そして、



その後、こう言ったんだ。



『もし、変わったのなら‥‥。

あたし‥‥奈央にとって、ますます嫌なヤツになってないよね?!』



ユカの意外な言葉にびっくりしたあたしは、



『なってないよッッ!!』



そう言った。



あたし――



何をムキになってたんだか――



その後、2人で大笑いしたよね?!――


大人の敷いたレールの上を――



あたし達は当たり前の様に突き進んで行く――



それが正しいのか、正しくないのか――


常に胸に矛盾を感じながら――

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