ただ、それでよい。

えぼしぃ  2009-06-10投稿
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別れよう、とはオレから言った。

オレにはもったいないくらいイイ女だった。

彼女は、優しく賢く明るく、顔は…絶世の美女ではなかったが、オレ好みの顔をしていた。

センスの良い身なりをしていた。

料理も上手だった。

一、二回したケンカはむしろ、二人の距離を近づけてくれた。

何よりも彼女は、オレのことを理解してくれてた。

オレの価値観や性格。好きなテレビ番組、好きな音楽…。

オレにとって彼女は最高の人であったろう。

彼女のことを心底、愛していた。

彼女もオレを愛してくれていただろう。

が…ある時、
彼女はうつ向きながら、一度だけ小さな溜め息をついた…

なぜか、その姿がオレの脳裏に焼き付いた…


そして…


そして、オレは「別れよう」と言い、彼女はうつ向きながら「…うん」と答えた。…泣いていた。

たった一度の溜め息の、理由は今も分からない。

彼女は今、結婚をし、幸せに暮らしてるとウワサで知った。

相手がオレでなくてもよい。彼女が今、幸せなのであれば、ただ、それでよい。

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