今……なんて言った………
殺す……確かに会長はそう言った。
それを聞いた僕は唖然するばかりで言葉が出ずにいた。
しかしそれを破るかのようにヒビキが言った。
ヒビキ
『どういうこと!!なんで達也が殺されなくちゃいけないの!』
裕也
「それが規則だからだ。
パラディンでは違法契約者を取り締まる事もやっているからな」
ヒビキ
『違法契約者?』
そう言うと鷹成は僕のほうを見てヒビキに言った。
裕也
「どこにも所属せず均衡を乱す者のことを俺達はそう呼んでいる」
ヒビキ
『つまり達也はパラディンに入ったら殺さないけど……断ったら殺されるってことじゃない!!』
裕也
「そうだ……さぁ、どうする桐原?YESかNOかでお前の今後の運命が決まるぞ。
YESというならよし……だが……もしNOと言うのなら……」
そう言うと鷹成は後ろから拳銃を取り出して僕に向けた。
その拳銃は、オートマチックの銃にナイフを融合した形状をしていた。
するとヒビキが僕の前に立ちはだかった。
ヒビキ
『達也は……殺させない!』
達也
「ヒビキ……!」
裕也
「どけ…!容赦はしないぞ!」
ヒビキと鷹成との睨み合いが続いたが突然、会長がそれに終わりを告げた。
真司
「やめろ!二人とも!!」
ヒビキ&裕也
『「!!」』
達也
「会長……」
そう言うと睨み合っている二人の間に入りこんだ。
真司
「裕也…銃を下ろすんだ」
裕也
「しかし!………分かった」
裕也は銃を下ろすとカウンター席に座った。
真司
「すまなかったな。桐原君、ヒビキさん」
達也
「いえ……」
少しの間の沈黙が続きそしてその沈黙を破ったのはリティアだった。
リティア
「でも……どうするんですか?このままだと結局……桐原さんは……」
真司
「そうだな………よし。桐原君、君に猶予をあげよう」
達也
「猶予…ですか?」
その猶予の内容は以下なるものだった。
真司
「一週間あげよう。その間によく考えておいてくれるかな」
達也
「一週間………」
僕は悩んだ。一週間と言っても結局、断れば僕は殺されてしまうのだ………