「…。じゃあ行こうか。」
鈴は結局拒否することが出来ず、承諾してしまった。
2人で歩いている時も、柚希が先で鈴が後ろ。表情こそ変わらないものの、心中はかなり違う。
「これは?」
柚希が指差したのは、映画のようなアトラクション。3Dメガネをかけて楽しむものだった。
「うん。」
入ったことのなかった鈴は、というより、入っていたとしても断ることはなかっただろうが。
映画自体はかなり面白くてクオリティも高いのだが、鈴は面白くは感じなかった。
見終わると、
[新着メール1件]
(咲希かも!)
案の定咲希だった。鈴は良かったと呟き、メールを開く。
[元気〜?(笑)こっちは今レストランに入ってる!]
「坂本君。咲希たちレストランにいるって。」
と同時に携帯の画面を柚希に見せる。
「そっか。じゃああんまり遠くないし、行くとするかぁ!」
と伸びをしてまた歩き始める。今回は2人並んで。
「あ、鈴!」
恵里子が手を振ってくれたお陰で広いレストランでも迷うことはなかった。