家の前まで帰って来た僕は家の中を覗いた。
達也
「母さんまだ帰ってないのかな?」
この時間帯ならもう帰っていてもおかしくないのだが……残業かな?
そう思いつつ僕は玄関のドアを開けて家に入った。
家に入るなり僕はリビングに入り冷蔵庫に掛かっているコルクボードを見た。
そこにはこんなメモが貼ってあった
‘達也くん、美奈ちゃんへ
急なお仕事でイギリスに二週間ほど出張することになりました。
今日の夕食は冷蔵庫に入っています。 お母さんより,
またか……今月に入って何回目だよ……ったく
ヒビキ
『お母様ってお仕事、お忙しいの?』
達也
「まぁね。母さん、女で一つで僕達を育てたから」
ヒビキ
『そう……なんだ』
そう言うと僕は二階に上がり自分の部屋に入った。
ヒビキ
『ここが達也の部屋?』
達也
「そうだけど……どうして?」
ヒビキ
『へぇ~そうなんだ…』
ヒビキは僕の部屋をいろいろと見てこう答えた。
ヒビキ
『意外と綺麗なんだね』
達也
「ヒビキはいったい僕をどういうふうに見てるんだよ!!」
ヒビキ
『そりゃ…男の子なんだからあんな本やこんな物なんかが隠してあったり……なーんて感じに見てる」
達也
「…………………」
呆れ果てて言葉が出ないよ……ヒビキ
そりゃ確かに隼人ぐらいならあるかもしれないけど僕は断じてそんな物は持っていない……!
そんな僕の表情を見ながら笑いこけているヒビキに僕は、一つ疑問に思っていたことを尋ねた。
達也
「ねぇヒビキ。魔法ってどうやって戦うの?」
ヒビキ
『唐突ね…どうしたの?』
達也
「いや……よくテレビとかでやってからさ…どんなのかなぁ~って」
そう言うとヒビキは、‘う~ん,っと悩みながら僕に言った。
ヒビキ
『まぁ……見せてあげてもいいんだけど実体化しないといけないんだよね~』
達也
「実体化?なにそれ?」
ヒビキ
『今のままだと魔法が使えないから実体化してから魔法を使うのよ。
言うよりも今から見せてあげたほうがいいかな』
そう言うとヒビキの足元に魔法陣が現れた。