エンジンをとめ、ちさと自分を固定していたタオルを外し、バイクを停め…
響はちさを背中におぶさるよう促した。
ちさをおぶって階段を昇ってきた響に僕らは駆け寄った。
「響、どうしたの?ちさ、大丈夫?」
「脱水症状になってから、病院連れてって…点滴してもらった…」
「えぇっ?ちさ?」
ちさは、
「大丈夫…点滴打ってもらったら、だいぶ楽になったから…。心配かけてごめんね…」
弱々しく微笑んだ。
響は部屋に入り、ちさをベッドにそっと寝かせた。布団をかけ直し、
「じゃあ俺、バイトあるから行くわ」
玄関を出ようとする響を、ちさは
「響…」
呼び止めた。
振り返った響に
「ありがとう…」
と言った。
響は、小さくうなずいた。
「さ、後は任せて!また明日ね」
「おぅ、じゃあな」
そうして響は帰っていった。