アラタ『のんびりしてるからなお袋は。お袋もいずみ程じゃないけどお嬢さん育ちみたいだし。』
いずみ『やっぱり…そんな感じがした。』
アラタ『似た者同士だから?』
いずみ『雰囲気がおしとやかだったから。
私はじゃじゃ馬娘だもん。』
世田谷の実家は相変わらずだった。
お父様はまだ帰ってなかった。
ゆり子さんは、アラタと久しぶりの対面が嬉しいみたい。
ゆり子『旦那様がお帰りになりましたらお迎えに上がりますのでひとまずはお部屋へどうぞ。』
結局、アラタと私は私の部屋で待つことにした。
アラタ『久しぶりに来たけどやっぱ豪邸だな。
まさか、いずみの実家で二人きりになるとはね。』
しばらくすると…。
コンコン!
ゆり子『お嬢様、お紅茶入りました。』
アラタ『ありがとうございます。
頂きます。』
ゆり子さんはすぐにリビングへ戻った。
いずみ『お父様遅いな…。』
アラタ『仕事なんだろう?
仕方ないよ。』
ちょっとするとお父様の車の音が聞こえた。
私たちはゆり子さんに連れられてリビングへ向かった…。
父『ここへ座りなさい。』
アラタ『初めまして。
ご挨拶が遅くなりました。
僕は新城アラタと申します。』
父『娘とはどーするつもりかな?』
私の出る幕はなくアラタとお父様の話し合いが続いた。
アラタ『はい。今はよいお付き合いさせて頂いてますが、いずれは結婚したいと思っています。』
父『結婚…。君はうちの娘と結婚する意味をわかって言ってるのか?』
アラタ『……………。』
父『婿養子だよ。私の後継者が必要でね、君のような芸能界で生きている人間に私の代わりは務まらないだろう。
だから結婚は諦めなさい。』
アラタ『待って下さい!
では、僕が貴方に認めてもらうにはどうしたらいいですか?』
父『君では無理だよ。いずみ、もっとまともな人を連れて来なさい。』
続く…。