「迷子の新人って、君でしょ?」
迷子・・・龍一は咲坂とはぐれていることに、やっと気付いた。
「・・・たぶん。」
17にもなって迷子と言われるのはムカッときたが、否定はできなかった。
「トーコねぇがお呼びだよ。ブリーフィングルームに行かなきゃ。」
そう言っている男、ジョウの全身を、龍一はまじまじと見た。
腕と足に咲坂と同じ鎧を付けている。とゆうことは・・・
「バスターなのか?お前。」
「?、そうだけど?」
「強いのか?」
「強い・・・そ〜だな〜。」
ジョウは首をかしげた。
「自分で言うのも難だけど、まぁまぁぐらいかなぁ。」
ジョウは自信が無さそうに言った。
(『まあまあ』ねぇ・・)
龍一はジョウが信じられなかった。
見た目にも細いジョウの体。ヒョロヒョロとまではいわないが・・・強いか、強くないか、と言う前に、ちゃんと運動してるかどうかさえ、怪しい。
ピピッ!
ジョウの右腕から、何やら機械音がした。
「あっ、通信だ。」
そう言うと、ジョウは右腕を顔に近付けた。
鎧から、声がする。
『ウルフ部隊各員、誰か見つけたか?』
どうやら、咲坂のようだ。
「ウルフ?(ワン)、迷子発見。今から行きます。」
ジョウは通信を切った。
「ほら、行こ。」
ジョウは座っている龍一に手を差し伸べた。
が、二度も迷子と言われた龍一は、なんだかムスッとしていた。