「お、着いたぞ」
レミアスは正面に見えてきた、泉の方向を指差す。
「なんかわくわくしてきたなー」
レミアスは続けてそう言った。
・・・・だが、泉には別に変わったところはなさそうだ。
セレンは安心したような、残念なような、複雑な気持ちになった。
「おいおいおい、まじかよ」
レミアスは悔しそうに呟く。
それも、そのはず、ここの泉は、街の人の話によると、最近になって幽霊のような人影の目撃談が相次いでいるらしい。
ちなみにセレン、レミアスがいる、孤児院でも、最近はこの泉の話題で持ちきりなのだ。
「諦めて帰るか」
セレンはあくびまじりに呟く。
「いーや、もう少しだけまつ、」
レミアスはこのまま帰るのは納得できないらしい。
セレンも、少しだけなら、と、とりあえずなにかあるまで待つことにした。
・・・・・・
「おもしろいほどに、なにも起きないな」
セレンは呟く。
「もう帰・・・」
「ちょっと待て、何か聞こえなかったか?」
レミアスはセレンの声を遮りながら、言う。
言われてみれば、なにか聞こえたような気もする。
「泉から聞こえたような・・」
レミアスは泉に駆け寄る。
セレンも追いかけようと、走り出した、その瞬間!
泉は虹色に輝く光を発した。
「!!!!!!」
2人はかなり驚く。
「「「見・つ・け・た」」」
どこからともなく、聞こえてくる声。
(なんだ!?この声!?あたまに直接!?)
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
・・・・セレン達の意識はそこで途絶えた。
泉から出た光は2人を包み、消えた。
――――――――――――補足
セレン・シルフィス
12才
緑色の髪の毛
魔術は風系や雷系が得意
レミアス・アーセナル
12才
青色の髪の毛
魔術は氷系が得意