周りの人達のおかげで翔吾はまた新たに道を歩み始めた。
元々人と話すのが好きなタイプなのでもう一度接客のバイトに戻ろうと思いネットで検索してみた。しかし、翔吾の思い描くバイトとは違うものばかりが引っかかった。そこで、翔吾は直接好みの店のホームページを探してバイト募集中かどうか書いていなくても電話しちゃえばいいやと思って、あるバーを見つけ出した。電話をかけてみると、
「バイトの応募したいんですけど?」
「どこのサイトをご覧になられましたか?」予想通りのリアクション。だが、ここは全つっぱで行くしかない…!
「店のホームページを見つけて見ていたら雰囲気が良かったので応募したくなってしまいました」
「じゃ面接を店で行いますので直接きてください」 まさかの速攻面接のアポ取得…!受けに行って落ちるわけには行かない。次の日の一時に店で面接を行ってもらった。
「面接受けに来たんですけど…?」
カウンターでグラスを拭いているマスター風のおじさんがいた。この人が店長のようだ。
「少し座って待ってて下さい」と優しい口調で言った。 「お待たせしました。とりあえず、履歴書見せてもらえる?」
「はい」
「なるほど。趣味が歌、特技が話となっているけど人と話をするのが好きなのはいいことだね」翔吾は笑顔ではい、と頷きながら答えた。
「もし採用ならいつから来れる?」
「明日からでも大丈夫です!」翔吾はスケジュールも確認せず少し調子に乗って言ってしまった。 「じゃ明日から1ヶ月〜2ヶ月は研修だけどよろしくね」 受かってしまった…。まさか!?である。店で面接を受けていた時に居た従業員は物凄いイケメンだったので自分は場違いの気がしてならなかった…。でもまあオーナーが気に入ってくれたんだからと気を取り直して新たなスタートに意気揚々として自宅への帰り道が楽しかった。