『君、ちょっと署まで来てもらおうか』
警官が言った。
『何で俺が捕まらないといけねぇんだよ!』
どうなってんだ。
『真次君…どうしてこんなことしたの?』
葵が言った。
『違う!本当に違うんだ!』
『信じてたのに…。真次君のこと本気で信じてたのに…。』
葵のその言葉で涙があふれだしてきた。人に嫌われても平気だったはずなのに、井上のその言葉は俺の心に深く傷をつけた。
『真次君…さようなら』
『待ってくれ!行かないでくれよ。頼む!俺……葵のことが好きなんだ!』
『……その言葉、待ってたよ。ずっと。ありがとう真次君…』
『お〜い、そんなに寝てると牛になるよー』
葵が声をかけてきた。
『ゆ、夢…』
『何泣いてんの。悲しい夢でも見た?』
『あ、ああ。すげー悲しい夢見た』
『どうしたの?何かやけに素直だね』
『あ、ああ』
『何か言いたいことがあるんでしょ?』
葵に言いたいこと…それは…
『葵、後で話があるんだ……』