不思議なもので、私は生きている。
そう あの人が死んだというのに。
急な事だった。
倒れてるあの人
救急車を呼び、すぐにといっても病院まで45分かかった。
受け入れ先が見つからない事が多いと聞いているのに。頭のどこかによぎる。
病院に着き10分もしないうちに、先生が私に近寄ってくる。
たまらず、はっきりと言ってください
私が言ったのか。
残念ながら、脳死状態です。これ以上は本人がかわいそうです。
ご決断ください。
私は何処にいるのかしら
これはドラマ、夢よね
ふわふわと宙に舞ってる私
現実は動いていく
身内を呼び、遺体を安置 葬儀屋さん 御寺さん
頭はふわふわ
棺桶を決めている
誰に報せるのかしら
感覚がマヒしてる
目の前の人 3時間前まで動いて話してた人
寝てるような顔
絶対におかしい、何か間違ってる
枕教、通夜、葬儀、四十九日\n
周りから人はいなくなり私は一人
部屋の空気は動かず
だるく、動かない
何も動かない
何も動かない
心も動かない
悪い夢を見てる
今まで二人でしてきた事
一人で…!
恐い、怖い、
私が崩れていく
今まで出来てた事
出来ない
私は一人、ヒトリ、
ヒトリ
味覚もない、
食べたいとも思わない
病院にも行きたくない
私が死んでもあの人に会えるとは限らない
孤独、コドク、コドク
ほとんど寝ていた
誰も訊かない
孤独死とは淋しいものだ
あの人の時は私がいたが、私の時は誰もいない
頭はふわふわふわふわ
どちらが現実なのか
ふわふわふわふわ
やぁ 急な事やったから、!?びっくりしたわ!?ショックやなぁ!
あの人がいなくなっただけでなく、周りの人に 気を使わなければならない
アイツが死んで寂しいねん
すみませんでした
力なく応える
あの人が急な事やったから、ショックで調子悪くなった人居てます
申し訳ございませんでした。
一人で、私は本当に愛したのだろうか?
そのつもりで、本当は自分の我欲の為、あの人を疲れさせたのではないか。
その私が生きている。ご飯を食べ、息をし
生きている。
惜しまれたあの人は
死んでいる
なぜ、生きなきゃいけない
なぜ、死んではいけない!
なぜ、なぜ、なぜ
で、私は生きている。