龍神族15

ぷよ羅  2009-06-13投稿
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 『また、いきなりどうして…』
『いいから』

言われるがまま、僕は佐々木とその兄を入れた。

『実はターコイズは──』

───え?
僕はターコイズのこと──いや、倒れていた本当のわけ──を聞いて、驚いた。

 僕のびっくりした顔を見て、いたたまれなくなったのか、親父さんが目を背けた。


ターコイズは、僕たちと戦った時のことを長に伝えていたのだ。


──僕が人と居たいこと、龍魔神のこと、……そして、ターコイズの本心──。

長は激怒したらしい。

 長の父親は龍魔神の手によって亡くなっている。怒るのも無理ない。
僕の知り合いにもいるから、そこはなんとなく納得。

しかし、ターコイズの帰宅を確認し、ターコイズの家を押し掛け、まるで気が狂ったかのように(許さん、許さん!!)と口走り、殴り、炎をはき、今のターコイズのようになるまでやったという。

長は帰る前、親父さんにこう言っていたという。
『フン。子は親の背中を見て育つとはまさにこのことじゃな。ゴホゴホ』

──ゴホゴホ!?
『長は、今の長はもしかして!?』
僕は、咳でもないのにゴホゴホ言うクセのある龍を思い浮かべた。


『…アクラインだが!?』


────!!!!!




───アクライン───。


僕の──叔父さ──…。



『うっ…うっ……。』

「龍牙!?」

気づけば僕は泣いていた。
僕がここを出るときの叔父さんは、よく
(コホコホ。いいか龍牙。本当に本当に苛立った相手にしか、力をくわえてはいかんぞ)
と僕に言ってた。



その叔父さんが──。

「龍牙!!大丈夫かよ…」
佐々木とその兄さんが背中をさすってくれた。


『───……。』

ターコイズの父親は黙った。

「…通訳してくれるか?──その…。こんな空気の中悪いんだけど」

僕は、泣きじゃくりながら通訳した。


『……龍牙。いや、リューイガー…』

親父さんはそっとささやいた。



『──…最後に長に会ってくるといい。はしゃぎすぎて倒れたんだ。永くはない。』



─────最後……。

最後というより、最期と言った方がいいだろう。

叔父さん……。



僕は、





あえて 会いに行くことをしなかった。



数日後、










長が亡くなったという知らせが来た。








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