『赤井〜!今日暇?ちょっと行きたいとこがあるから付き合ってくれないか?』木村さんからメールがきた。
私は特に何も考えず
「OKです」
と返事を返した。
木村さんが私のアパートまで迎えに来てくれた。
そしてこの日…
私の運命は急速に変わっていくことになる。
木村さんはなぜかはしゃいでいる子供みたいに楽しそうに運転をしていた。
私は、後部座席からそれを見ていた。
木村さんは別にいいと言ったけど、土曜の朝から人の旦那の車の助手席には乗れないと思った私は後ろに座った。
そんな私の行動に木村さんはまた優しく笑った。
いつも子供扱いされて悔しかった。
15歳も離れてるから木村さんはいつも大人で…
ちょっとの事で一喜一憂する私は本当に子供だった。
目的地は海が見える丘公園。
まだ朝だったからウォーキングのおばさんくらいしか通らなかった。
朝、海を見たのは前の彼氏と以来だ…
なぜだか凄く悲しくなった。
我慢できなかった。涙がポロポロ出てきた。
木村さんはまた私の頭を撫でる。そして口を開いた。
『お前、ずっと泣きたかったのに泣かなかったろ?失恋して悲しかったのに笑ってたろ?泣きたい時は泣いていいんだ!男も女も、子供も大人も時には我慢しなくていい時があるんだよ。』
私はやっと泣く事ができた。
木村さんは微笑んで泣き止むまで頭を撫でていてくれた。
思いきり泣いた後恥ずかしくてしばらく顔をあげられなかった私に木村さんが話しを始めた。