変わらないね。
同窓会での席で、千尋は言った。
中学を卒業して、もう19年経って言われた一言は、嬉しいのか?なぁ。
私は勉強が嫌いで、全くやらなかった。
英語は「アッポー」で止まっているくらい。
千尋の成績はクラスでも、3番目位かな?
まさか告白してくるなんて、思いもしなかった。
もし、タイムマシンがあるならあの日に帰りたい。
千尋と一緒に下校したあの日。
何を話したかなんて、覚えちゃいないが、当時の私は純粋だった。
目が合えば下を向き、震えた手で手を繋ぐ。
今はどうだろうか?
夜の世界に身を置き12年、恋愛のやり方すら忘れた。
「恋愛をする」から「恋愛を売る」側になってしまった。
今は何をしてるの?
千尋の一言に意識が遠退く。