いつかまた〜32〜

友愛数  2009-06-15投稿
閲覧数[201] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「そっか…。ん!そういえば、そんな感じの生地があったと思う!」

空いたお皿に手を合わせて

「ごちそうさまでした」

頭を下げて、ちさは3段ある脚立を取ってきた。

「確かこの中に…」

脚立に登り、棚の上段にある箱に手を伸ばす。
とっさに僕はちさが落ちないように、脚立を支えた。

「ん〜と…」

箱の中をまさぐりながら、ちさが言った。

「でも今日、トーマがいてくれて良かった。思ったより順調に進みそう」

嬉しそうなちさの横顔が見えた。


違うんだ。

俺が今日、ここに来ようと思ったのは。作業の効率を狙った親切心じゃない。
ちさと一緒にいたいという、単なる恋心でもない。


響には。俺の知らない、ちさとの時間がある。
俺も、響が知らない、ちさとの時間が欲しかったんだ。

これは、嫉妬と名を借りた『競争心』…だと思う。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 友愛数 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ