いつかまた〜36〜

友愛数  2009-06-16投稿
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翌朝。

ゆうべはよく眠れなかった。

事もあろうに、俺はちさに想いを告げてしまった。

そんなつもりはなかったのに…。


いつもの通う道。
当然のごとく、前方にちさの姿が見える。


この場合、どうやって声をかける?

このままスルーか。いや、それじゃ不自然だ。

気にしないでくれと言ったのは僕だ。
何も望んでいないと言ったのも、ちさに何かを求めていないと言ったのも僕だ。

無視するのはおかしい。


意を決して、ちさに話かける。


「おはよ!」

振り向いたちさは、笑顔を見せて、

「おはよう、トーマ。あ、見て?」

ゴソゴソとカバンからスケッチブックを取りだしながら、昨日話してたような具体的なキャラのデッサンを見せてきた。

「あ、いいんじゃない?恋歌を布にしたんだ」

「うん、粘土じゃチェック柄は難しいから。じゃあ、これで進めて行こうかな」

「うん!いいと思うよ」


気を遣っているのか、もう割りきったのか、
ちさは、いつもと変わらない態度で僕に接してきた。

空振りを喰らったような、でも、ほっとしたような、なんとも言えない気持ち。

これから僕のこの想いは、何処を置き場にしたらいいんだろう。



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