* * * * * *
次の日の朝は――
『おはよ〜っっ♪奈央!!』
『おはよっっ♪ユカ♪』
久々に目が腫れてしまい――
『どうしたの奈央?!目腫れてるよ?!』
心配顔のユカが、
あたしの顔を覗き込む――
『うん。ちょっと寝不足‥‥かな?!』
心配掛けちゃうから、
泣いて目が腫れたなんて、
とても言えない――
『何?!結局、聖人から何も連絡無かったワケ?!』
『ううん。一応来たんだケド、電話で少し話しただけ。』
『そうなの?!
‥‥で、聖人何か言ってた?!
京谷さんからヒロキの情報を得たとか?!』
『別に何も。
ただ、“明日になれば全て分かる”って。
それだけ言われて、すぐに電話切っちゃったから。』
『ふぅん。何か気になる言い回しね。
ねぇ奈央。聖人が来たら、2人で詳しいコト、聞き出そうよ!!』
『あはは。うんっっ。』
今日は、聖人と一緒には登校しなかった――
聖人。
今日は遅刻かな――
『それよりユカ。
大丈夫だった?!
お父さんに怒られなかった?!
森宮さんのコト‥‥。』
『うん。大丈夫!!
でも、久々にケンカになっちゃってさ。
ご飯食べたら、すぐ2階の自分の部屋へ行ったんだ。
今日の朝も、お父さんと、ろくに目も合わせないで家を出て来たし。』
『えぇっっ?!
全然、大丈夫じゃないじゃん!!
もし、ケンカがひどくなったら、あたしの家に来てね。
お泊まりの用意してあるから。』
『ありがと、奈央。』
やっぱり――
森宮のお父さんか、校長が、
ユカのお父さんに連絡したんだ――
ユカが職員室で森宮にビンタしたコト――
きっと――
ユカのお父さんも、
渋川と同様に、
自分の出世の為に、
上司に媚びへつらうコトで、
大変なんだろうな――
そして――
その心は、
自分の娘の言い分を聞く余裕すら無く――
いっぱいいっぱいで――
腐った大人が腐った大人を生む――
腐った大人の負の連鎖―――