ガラッッ―ー‐
『〜〜♪〜♪〜♪
盗んだバイクで走り出す〜〜♪♪♪
うぃ〜〜っすッッ!!』
ドサッッ―ー‐
『あっ。聖人来たよ、奈央!!』
『う、うんっっ。』
聖人ったら、鼻歌なんて歌ってる。
カラオケは苦手なくせにっっ。
何か良いコトでもあったのかな。
昨日の夜の、電話の言葉が気になるよ。
“おい、北岡が来たゼ?!”
“知ってるか?!
昨日のバイクの金髪野郎って、魔羅威夜のアタマだってよ!!”
“北岡のヤツ、魔羅威夜に入ったのか?!”
“いや、誘われたらしいが、北岡が断ったしいゼ。”
ヒソヒソヒソヒソ――\r
クラスメイト達は、
聖人の姿を見るなり、
昨日、京谷さんのバイクに乗って、
どこかへ行ってしまったコトについての話題で盛り上がり始めた。
ドカッッ―ー‐
『うるせーな。
何か俺に言いたいコトあるヤツは、直接言えよな。』
ヒソヒソ話しているクラスメイト達に向かって、
そう言った聖人は、
ちょっと不機嫌顔で、椅子に腰掛けた。
あは。
よかった。
いつもの聖人だ。
ちょっと今は不機嫌だケド。
『聖人おはよッッ!!』
あたしよりも先に、
ユカが聖人に声掛けた。
あは。
ユカも、
早く昨日のコト、
聖人から聞き出したいらしい。
『あぁ‥秋田谷おはよッス!!』
少し眠そうな目で、こちらを振り向いた聖人。
そんな聖人に、あたしも朝の挨拶。
『聖人。おはよっっ♪』
『おっ?!奈央おはよッッ!!
風邪大丈夫か?!』
『え?!あ‥‥うん。大丈夫だよ。』
そうだった。
あたし、
昨日、電話で風邪ひいたって言っちゃったんだ。