「うぁあーー!!」
またあの夢をみた。原因はいったい何なのか?いつになったら清々しい朝をむかえる日がやって来るのだろうか?そう考えると益々憂鬱な気持ちになる。
今日は土曜日で大学も行かなくても良いのに、夢の所為で早く起きてしまった。窓からは光はなく、雨の当たる音が聞こえる。
大輔はベッドから起き上がると、嫌な汗をシャワーで流した。
風呂からあがり服を着替えていると、突然携帯が鳴った。携帯のディスプレイには「翔太」という文字が光っている。
「もしもし翔太か?こんな朝早くに何の用だ?」
「大輔…。テレビ見てる?」
「えっ?見てないけど、どうしたって言うんだよ?」
「早くテレビ点けて!!見ればわかるから!」
「何焦ってるんだよ。わかったよ。今点ける。」
大輔はテーブルにあるリモコンを手に取り、テレビを点けるとニュースが放送されていた。
そしてそのニュースは大輔から言葉を奪った。
「………ぅ…嘘だろ…?」
「本当だよ。死んだよ。」翔太は電話越しに大輔の言葉をやけに冷静に否定した。
「嘘だ…。何で?何で康平も拓也も千恵も死ななきゃならないんだよ!しかも骨だけってどーゆうことだよ!!」
大輔はやり場のない怒りと悲しみを携帯にぶつけた。
「分かんないよ!僕だってさっきを見て知ったんだから!」
「……ごめん…。ついカッとなった…」
「僕もゴメン。…もう少し落ち着いてからまた話し合おうよ。」
大輔もそれに同意して携帯を切った。
部屋中が雨に打たれる音に包まれた。