ホームルームが終わった。
彼女を見る。彼女は僕を見る。
そこへ、ミヨとタカシとケイトも来る。
「お前、ノノカちゃんのこと惚れちゃったのか？」
タカシは依然として笑っている。
「タカシ君！そんなこと言ってわいけないのですわ！」
「俺もそう思う。」
ミヨとケイトはタカシを抗議する。
「いや、違う。僕、この前、ノノカとあったことあると思うんだ。」
「そんなの、この田舎にいる限り、どこかではあってるだろー」
「そうじゃない。」
僕はきっぱりと言い捨てる。
「す、すみません！分からないんです。本当に覚えてなくて。」
そう言い、彼女は下を向いた。
「女の子にそんなことしてはいけませんわ！」
ミヨはノノカを庇う。
「そうだぞ。女の子には、優しくしないとな。お前、見た目はかっこよくても、そういうところに気をつけなきゃ、モテねーぞ。」
トシキは今時風のイケメンで少しは学校でも人気はある方だった。
「タカシに言われたくないな。お前は思ったことを何でも口にする所、なおした方がいいよ。」
「素直で悪いかー」
タカシはまだ笑っている。
「あの…」
唐突に話しかけてくるノノカ。
「何ですか？」
ケイトがタカシと僕の言葉を遮るように言う。
「次の時間の授業は？」
僕たちは顔を見合わせて笑った。
「ごめん、ごめん。」
「そういや、そうだなー。」
「次は数学ですよ。」
「うん、うん、そうでしたわ。」
僕たちは一斉に言う。
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