昔のことを思い出そうとしても、もやがかかって思い出せない…
俺は本当に記憶喪失…
(あなたは少し前に事故にあって記憶を失ったの)
亜矢「……」
秋良「……」
会話はない…
俺はこの人からすべてのことを聞いた…
俺達が恋人だという事… 俺はデートの最中にこの人を庇って車にはねられたという事…
嘘のような本当のはなしだった…
秋良「あの、宮川さん…」亜矢「そんな呼び方やめて!…亜矢って呼んでよ」
秋良「…ごめん」
亜矢「…秋は一応だけど検査入院だから明日には退院できると思うよ」
秋良「そうなの?記憶喪失って言うからもっとかかるのかと思った」
亜矢「記憶喪失って言っても一時的な物だよ、きっとすぐに思い出すよ」
秋良「…そうなんだ、よかった」
亜矢「でも、思い出さなかった一ヵ月後にはまた」
秋良「一ヵ月後?また?」亜矢「…なんでもないよ」秋良「…?」
亜矢「退院おめでとう」
秋良「ありがとう、あれおふくろは?」
亜矢「……」
秋良「ん?」
亜矢「秋のお母さん、しばらく帰ってこれないんだってさ」
秋良「どっか行ってんのかよ…」
亜矢「だからさ、家に来なよ」
秋良「亜矢ん家に?…じゃぁそうさせてもらうよ」
亜矢「うん」
続