神速 (上)

アオ  2009-06-19投稿
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5月1日21時30分00秒。
いつものように電車で帰っていると女子高生が痴漢をされていた。勇気がなくて怯えているようだった。ここはやはり男である僕が止めるしかないだろう。僕は勇気を出して相手を(社会的に)抹殺する究極即死魔法、【コノヒトチカン・デス】を唱えた。
5月1日21時35分00秒。
電車を降りた後女子高生がお礼を言ってくれた。彼女が後でちゃんとお礼がしたいとのことでメアドを交換した。
「田中 永久恋愛土里衣夢真理子(たなか えくれあどりいむまりこ)って言うんだ今風の可愛い名前だね。」
と僕が言うと永久(中略)真理子は天使のような笑顔を見せてくれた。
5月1日21時38分00秒。
帰宅して少しして永(中略)子からお礼がしたいから最初に会った駅で待っていますと連絡があった。心躍る気持ちでタキシードに着替え僕は軽やかに家を出発した。
5月1日21時40分00秒。
タキシードできた僕を見て永(略)子は「面白い人」と言って指を自分の口にあてがいクスクスと笑った。
5月1日21時41分00秒。
永子が急に倒れた。「私、白血病でもう長くないの。」
何てことだまだこれからだというのに。5月1日21時41分30秒。
どんどん永子の顔色が悪くなっていく。僕はパニック状態になりこう叫んだ。「助けてくーださーい!誰か助けてくーださーい!」
5月1日21時41分45秒。
現実は無慈悲で永子は死んでしまった。考えることは後悔ばかりだ。永子にはもっと楽しい思いをさせてあげればよかった。
5月1日21時41分55秒。
永子のいない世界なんて生きる価値はない。丁度電車が向かってくる。僕は電車の前に飛び出そうとした。すると永子の声が聞こえたようなきがした。
5月1日21時42分02秒。
気がつくと僕は後ろの人に引っ張られ尻餅をついた状態だった。「何やってんだバカヤロウ。」
駅に男の怒声が響き渡る。振り返ると僕は驚いた。「永子の…お父さん…。」

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