いつかまた〜46〜

友愛数  2009-06-20投稿
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それから。

僕らは、また制作にいそしんだ。

ちさの作ったそれぞれのキャラクターが出来上がり、僕と智、梨玖がセット作り、恋歌と響が絵コンテ作成に差し掛かったある日。

叔父さんのバーでバイトしてた僕に、叔父さんが言った。

「燈真、娘が入院する事になってな」

「え?多佳子ちゃんが?どうしたんですか?」

「部活中に骨折してな。それで、ちょっと明日、明後日は店閉める事にしたんだが…」

「そっか…、分かりました。多佳子ちゃん、早く良くなるといいですね」

「悪いな、燈真もゆっくり休んでくれ」


…………。


次の日、僕は造形科に向かった。


「ちさ」

声をかけた僕に、ちさは驚いた。
手には、セットに組み込むのであろう、作りかけの小物。
休み時間にもやってるんだ…。

「どうしたの?教室まで来るの、珍しいね」

そう言うちさに、

「明日さ、学校の後どっか行かない?」

「え?」

「あ、どっかって言ってもまだ決めてないんだけど。どこでもいいんだ。ちさ、行きたい所ない?」

計画性ナシかよ。
なんかもっとあるだろう。
水族館とか、遊園地とか…


ちさは少し考えて、

「クローバーとしろつめ草がたくさん生えてる場所ってないかな?」

と言った。


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