心の獣 一章『衝動』1

ねこのレン  2009-06-20投稿
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もう何時間経っただろうか、すっかり日の落ちた街角。大通りには人が溢れかえっていた。
僕が居る場所は、大通りを少し外れた裏路地。ボロボロになった体を路地の壁に預けていた。
口の中が切れているのか先ほどから嫌な地の味が口の中に溢れている。
手で顔を触ってみるとズキリと痛んだ。恐らく痣になっているのだろう。
なぜ自分がこんな状況になっているのか、頭の中にかかる白い靄を取り払う様に少しずつ思い出す。
あれは学校帰りだった。何時もの様に本屋で立ち読みをしていると、突然自分を囲む様に数人の派手な井出達の男達がたっていた。
全員髪を赤や黄色に染めた者や、鼻から耳にチェーンが繋がっている者もいた。
僕は正直怖いと思い、その場を立去ろうとした。しかし、派手な男達はニヤニヤ嫌な笑いを浮かべながら行く手を塞いだ。
そこから後は良くありがちなパターンである。
人気の無い所へ連れ出され、殴る蹴るの暴行を加えられたのち財布の中身を全て持っていった。
僕はその痛みにしばらく動けずに現在の状況にいたる。
「クソ!!」
痛む僕の口から自然と言葉がこぼれ出た。同時に瞳からも止め処なく涙が流れ出る。

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