その日から、朝、目が覚めると、彼の携帯電話をチェックすることが、日課となっていた。
彼は、相変わらず隣で気持ち良さそうに寝ている。
初めは、どういう意味かわからなかったメールも、受け止めなくなかった現実も、少しずつ確かなものへと変わっていった。
「昨日は、気持ち良かったよ!また、いっぱいチューして、Hしようね。」
昨日か…会社の同僚と飲みに行くって言っていたけど、いつもはするアルコールの匂いがしなかったのは、こういう事だったのね。
香織は、小さく溜め息をついた。
毎日、受信される姿の見えない外のひと。