内と外 4

えり  2009-06-20投稿
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「毎日、夕方会える事が、とても楽しみ。」

「好きだよ。」

「今、自宅に着いたよ。」

「今日は、ありがとう。」

「気持ち良かった。」


毎日、受信されるメール。
メールの内容からして、相手の女性は、親会社の社員のようだ。


彼の浮気を知りながら、香織は決して口には出さなかった。


彼には、外の人がいる。
それは、確かな現実。
だけど、口には出せなかった。


浮気をされている。
プライドが、許さなかった。
口に出して、彼を問いただして、別れさせて、そんな惨めな事、香織にはどうしても出来なかった。


ただ、彼の嘘に騙されたふりをして、何も知らないふりをして、香織のプライドだけが、ふたりの関係を繋げていった。


遊びのひと。ただ、それだけ。彼の事だから、きっともうすぐ飽きるはず。


そう…
あの事実を知るまでは、確かにそう思っていた。

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