貴方が言った言葉が離れなかった
一人になった今
気の済むまで妄想した
もしも十年前
私達が出会っていたらどんな出会い方をしたのだろう
私は高校の制服を着て
貴方はまだ着慣れないスーツを着ている
接点のなさに笑えた
まだ社会を知らない私が社会に出た貴方に恋をする
遊び足りない私は貴方に何を求めるのだろう
その時の二人はどんな恋愛をするのだろう
想像も着かなくて不思議な感覚になった
もしも貴方とその頃に結ばれて家庭を築いていたとしたら
私達は幸せになれただろうか
十年経った今でも一緒に笑い合えているのだろうか
二人の間に子供が産まれたらどんな子になっているだろうか
考えれば考える程にそこに意味はなかった
貴方は別の人と別の家庭を築いた
それが私ではないから
悲しい想像
現実にある物は虚しい世界
私は貴方の人生の付属品の様な物
いくら愛されても気持ちを奪う事しか出来ないのだから
溜め息が深い
ただ貴方が同じ事を思っていてくれた事が救いだった
例えどうにもならない事だとしても
お互いが悔いている事ならば
それを二人で慰め合えばいい
貴方の苦しみも私の苦しみも
だから忘れないで
私に告げた貴方のその想いを
私も忘れない
強く願ったこの想いを
お互いに求める事は数多いけれど
きっとこの願いは他の何よりも大きく
絶対に叶う事はないのだから