愛した人は人のもの?

MOE  2009-06-21投稿
閲覧数[266] 良い投票[0] 悪い投票[0]

今日は私の誕生日。 
きむが車で迎えに来てくれた。 
いつもは絶対乗らない助手席に今日だけは座った。 今日は特別。
なぜだかわからないけど、今日助手席に座らないとずっと座れなくなると思った。
きむはニコっと笑って
『どこに行きたい?』
と聞いてくれた。 
私たちは、普通のデートができない。 
遊園地や人の集まる所は選べない。 
私は 
『いつもの公園に行きたい!!』 
ときむに伝えた。
『お前はほんと安上がりな女だな(笑)わかったよ』

そういって車は走りだした。 
私にはどうしてもきむとしたい事があった。 
いつもそうしたかったのに私達にはできなかったことがあったから… 
それはどちらかがしないと言ったわけじゃなくただ自然にそれはマズいと思っていたから… 

公園に着き車を降りるとき『お前、なんでこんな公園選んだの?せっかく誕生日なのに』 
と言われた。 

また子供だって笑われるかな?と思ったけどずっとしたかった事をきむに伝えた。
『きむ…私ね…手を繋いで歩きたいの。ダメ?』 

そう言うときむは少し黙ってしまった。

それからぎゅっと私を抱き締めた。 
「きむ、みんな見てるから。」
私がそう言うと
『ごめんな。そんな当たり前な事お前にはしてやらなかったんだな…』
と言って私の手を握りゆっくりと歩いてくれた。 

凄く幸せだった。 
きむがちゃんと掴んだ手はまるで離さないよと言ってくれてるような感じだった。 
私達には二人でいられる時間も少ない。 
でもこんなちっぽけな事で私は人生で一番素敵な誕生日を過ごした気がした。

そして私の誕生日は終わった。 

きむの手のぬくもりが残る手をもう片方の手でぎゅっと握り私は眠った。 

そして幸せな誕生日の翌日からまた悲しい現実と向き合わなければいけなくなる… 

神様って本当にいるんだ…悪いことをしたら罰がくだされる。

神様はその後私に…
そしてきむにも罰を与える… 
それはとてもとても悲しい罰だった… 



i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 MOE 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
良い成分のみ使用
死海100%の入浴剤


▲ページトップ