いつかまた〜50〜

友愛数  2009-06-21投稿
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並んで歩いていたら、ふと頭の中のもう一人の僕が、問いかけてきた。

『せっかくちさと二人で居る時間なんだぞ?このまま送ってバイバイ、でいいのか?』

いや、流れ的にそうでしょう。

『もっと欲張ってもいいんじゃないか?』

欲張るって、何を。



「どしたの?」

ぶつぶつ言ってる僕を、不思議がって(不審がって?)ちさが聞いてきた。

「あぁ!ごめん、なんでもない」


何ができるって言うんだよ。

その時、一瞬ちさの手と僕の手が触れた。

あ。

見ると、あと数百メートルで、ちさの家に着いてしまう位置まで来てた。
辺りは少しずつ、暗くなっていってた。
僕はふいに立ち止まって、

「手…つないでいい?」


無意識に口からそんな言葉が出た。

「えっ?」

ちさは驚いてた。


ちさの返事を待つ。


少し戸惑った様子を浮かべた後、


「………うん………」

と言った。


僕がキャリーカーを持っていない方の手を差し出すとそっとちさが手を触れてきた。

その手を、僕は握り返し、また歩き出した。

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