『死にたいな〜』
結衣が言ってきた。
『どうしてだよ?』
俺は尋ねた。
『だって生きててもつまらないじゃん』
『そんなに考えるなよ。人間は考えれば考えるほど臆病になるんだから』
『それって、恋も当てはまるね!』
『は?』
『恋も悩めば悩むほど臆病になっていくから』
『…………そういえば、天国っていいところだよな』
『根拠はないけどそうなんじゃない?』
『根拠はあるよ。だって天国に行って誰一人帰ってこないじゃん』
『慎也…どこかの宗教団体に入ったの?』
『人生は神様によって書かれた物語にすぎないのだよ』
『あ!それ聞いたことある』
『前にも言っただろ。名言は姿を変えて生き続けているって』
『実は…私も姿を変えて生き続けているんだ』
『……か、神様はなぜそんなことを書いたんだ!』
『嘘だよ〜』
『………神様も凝ってるな』