眠れぬ夜は君のせい〜33〜

ユーリ  2009-06-21投稿
閲覧数[461] 良い投票[0] 悪い投票[0]

『もしもし…』

不安な気持ちで声を出した。

『もしもし!おたくは誰?』

苛ついたような声で電話の女の人は言った。

一瞬、怖くて声が詰まりそうになる。


深呼吸をして聞いた。

『あなたこそ、誰ですか?…どうして彼の電話に出てるんですか?』

今から思うと、あの時あの状況でよくあんな言葉が出たなと思う。

怖い気持ちに変わりはなかったけど、この気持ちを悟られてはいけない気がした。

…佑典はとんでもない事に遭ってると直感で感じたんだ。


電話の女の人は突然優しい語り口になって言った。

『いや違うんです、…私この携帯を神戸で拾って、一番履歴が多かった番号に電話して…この携帯が誰の物か確認しようと思って…。』

話のつじつまが全く合わない、何で佑典が携帯を神戸で落とす?


絶対おかしい。


『神戸のどこで、いつ拾ったんですか?』


そう聞く私にその人は慌てて言った。


『さっ…三宮よ!三宮の駅!今朝、私が会社行く時に拾ったんよ!』


もう一度深呼吸して私は聞いた。


『三宮で拾ったなら、どうしてすぐ交番に届けなかったんですか?あなたが持ってるのはおかしいです。』


そう言った瞬間、電話

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ユーリ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ