亜樹が退院してから、忙しかった…引っ越しの用意で離婚前のマンションに荷物の片付け、引っ越しの業者の見積もり…
退院したばかりの亜樹の身体は、思う様には動けなかったし、こんな身体になるなんて考えてもみなかった…
何とか、母親に手伝ってもらって引っ越しが終わった…
一也からメールがきた
『荷物は、出来る範囲で無理しない様に片付ける事!…明日には手伝いに行くから』
入院中は毎日会ってたから、亜樹は寂しかった…
『一也に、早く会いたい…寂しい』
『ガマンしなさい!』
そうメールしながら、一也はその日の夜に来てくれた
一也は、部屋に来るなり第一声が、
「こんな事言ったら悪いけど…家具とかが母子家庭の荷物じゃない様な…おまけに広いし…亜樹って金持ち?(笑)」
確かに母子家庭の無職の亜樹の家は広かった…
亜樹は冗談で言ってみた
「部屋余ってる所は、一也の部屋にしていいよ、何なら住んでもいいよ(笑)」
「それは…無理かな…」
一也の顔色が曇った…やっぱりなんか、おかしいけど聞けないし…見なかった事にした…
花南をベッドに寝かせた後、リビングのソファに座ってる一也の横に座った
「何か飲む?コーヒー?紅茶?」
「コーヒーお願い」
コーヒーメーカーの音とコーヒーの匂いがする…
「入院中は、コーヒー飲めなかったから久しぶりだね。」
ソファに座って一也と久しぶりに同じ目線だった…入院中は、いつもベッドか車椅子だった…
亜樹は、聞いてみた
「ねぇ…一也といつまで、バカ言って笑えて一緒に居る事出来るかな…?」
「亜樹らしくないよ!ネガティブな事言ってさぁ…最後は、笑ってバイバイするって亜樹が言った事だよ…そんな寂しい事言わない!今が楽しければいいってのが亜樹のモットーだったはずだよ」
「そうだよね…ごめんね…」
これから先は聞けなかった…