帰り道、僕はヒビキにいろいろと質問をしていた。
ていうか念話(自称)を使いこなしている僕って………いったい?
達也
(実体化にタイムリミットがあるならそう言ってくれたらよかったのに…)
ヒビキ
『ごめんごめん。言い忘れてたよ』
達也
(もし美奈の前でばれてたと思うと……)
たしかにその通りだ……もし美奈の前でヒビキが消えるのを見ていたらそれでこそ美奈にどうやって説明したものか…………本当にばれなくてよかった。
達也
(でも…まぁ多分、家に帰ったら何かしらと聞かれるんだろうな……はぁ……)
ヒビキ
『しょうがないよ。美奈ちゃんだってお年頃の女の子だからね。大好きなお兄ちゃんをとられたくないんだよ』
達也
(そう言うヒビキはお姉さんとか妹とかいるの?)
僕がそう言うヒビキは少し顔を俯いてしまった。
もしかして聞いちゃいけないことを聞いてしまっただろうか?
ヒビキ
『いないよ……誰も両親も兄弟も……誰も……ね』
達也
(あー…えっと……それって……)
ヒビキ
『ごめん……今は……話せないからまたちゃんとした時に話すよ……』
そう言った次の瞬間にはヒビキは笑顔になって僕を見ていた。
ヒビキ
『ほら!早く帰ろう!美奈ちゃんが待ってるよ達也!』
達也
(う、うん)
そう言うと僕たちは家に向かった。後の話だが家に帰った僕を待っていたのは美奈の質問の数々だったという話はまた後の話である