幼い頃、祖父に一足の靴をプレゼントされた。
ブランド品等ではもちろんなかったが、世界で一番輝いて見えた。
初バイトの初任給、一万円稼ぐのがどれだけ大変かを知り、親のありがたみを知った。
現代には全てが揃い、そのありがたみを感じる暇も無い。欲しければ手に入れ、飽きたらまた欲しがる。
考えたことがあるだろうか。
世界には、食べ物が無くて苦しんでいる子供達がいる。戦争で足を失った青年がいる。
辛くて苦しいはずなのに、取材陣のカメラに向かって心の底から微笑んでいる。
私達は恵まれている。
お金が無くても仕事が忙しくても、私達は恵まれているのだ。
不平不満を並べる前に、ほんの小さな事で喜びを感じた昔を思い出してほしい。
ただそれだけで、たかだか1000円くらいの靴でさえ、世界で一番輝いて見えるのだから。