喜劇を地で行く男Part1

プー  2009-06-23投稿
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目覚めたら留置場だった。
博之は眠たい目を擦りながら昨晩起きた、あの忌ま忌ましい出来事を思い返した。


何故オレがこんな目に・・・

コトの発端は昨夜仕事帰りに立ち寄ったスーパーだ。ドラマはそこから始まる。

カップラーメンを二個だけ買うつもりが、果物コーナーの桃に指でつっつき穴を開けると云う

戦後最大の犯罪をやらかした瞬間、店員と目があった。

『お客さん何してるんですか?あんたシャレじゃ済まないですよ!』


『いや指で軽く突っついただけじゃんか!ちゃんと買い取るよ』


『当たり前でしょ!全くいい歳して恥ずかしい。出禁ですよマジで』


ここまで言われちゃさすがの博之も頭にきた!


『チンピラ、死体としたいなら表とストリップに出ろ。二年間は物が噛めない顎にしてやる〜!』


すると店員

『あ〜そうですか、なら警察を呼びますね。店長〜』


ごちそうさま。それだけは寒い・・・

『わかったよセバスチャン、ここには二度と来ないし桃も買い取るから許してよ。ねっ?』

それだけ言うと博之は
立ち去るそぶりを見せ

わざとらしくと店員の足を踏んだ


グリーンガムの付いた靴で。


スーパーを出ても何だか気分が晴れないのでTSUTAYAに立ち寄った。


探すのがダルいので店員に聞いた


『すいません、ロッキーファイナルはどこですか?』


店員
『は?やだなお客さん、ロッキーにファイナルなんてないでしょうwそれにスタローンも歳だし、夢でも見てるんですか?』


殺したい・・・


『いやロッキーファイナルだぜ?最終章の。なんで店員なのに知らないんだ?お前辞めちまえよ』


らちがあかないので、一度見た事のあるバックトゥザフューチャーに決めた。

無難なところだ。暇潰しにはなる。


レジに持って行きカードを渡すと、店員が仏頂面で言った。


『すいませんお客様、3年前からDVD計27本が未だに返却されてませんが』


過呼吸になった・・・


博之は怒りを越え、地球を破壊したい衝動を抑えながら、店員と太陽に吠えた。


『狼は生きろ豚は死ね』と。


続く



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