『昼の放送?!
何で???
聖人の好きなBOOWYの曲でもかけるの?!』
あたしが、そう聞くと、聖人はケラケラ笑い出した。
『ンなんじゃねーよッッ。
いいから、とにかく聞けよ?!』
そう言ってから、
聖人は、カバンの中から取り出した漫画を読み始めた。
『ふぅ〜ん。昼の放送ねぇ‥‥。』
ユカは、首を傾げながら、あたしの方を見た。
『あは。何か‥よく分かんないケド、お昼が待ち遠しいねっっ!!』
『んもうっっ。奈央は、どうしてそうイイコなの?!
聖人ったら、“ワン〇ース”の新刊に夢中になってるよ。』
『あはは。お昼まで待とうよ。ねっ?!ユカ。』
* * * * * *
お昼になって、給食の時間がやって来た――
給食当番の班員達が、みんなに給食を配り始める――
いつもは、お昼になると、“お昼の放送”がかかる。
さっきの聖人の話では、この放送をちゃんと聞けよってコトだったケド――
《みなさん。こんにちは!!今日もお昼休みがやって来ましたッッ!!
いつもの、この時間は、音楽をかけるのですが、
今日は少し趣向を変えて、FM放送を流してみたいと思いますッッ!!》
スピーカーから流れる放送委員の声に、クラスメイト達がざわつき始めた。
“おい。何だよ今日の昼の放送は?!”
“FMって?!FM小樽?!”
“やだぁ〜。マジ?!今日は、あたし、「湘南乃風」流してもらうはずだったのに!!”
みんな、ぶーぶー文句言ってる。
ケド、どうして今日に限ってFM放送が流れるのか、あたしも疑問だった。
もしかして、このFM放送に何かカギが隠されているの?!
そうなの‥‥?!
聖人?!
給食が揃って、みんな席に着いている――
さりげなく聖人の方を見ると――
いつもの様に、クールな顔して牛乳にストローさしてる。
もぉっっ!!
なんで、あたしの視線に気付かないのッッ!!
少しは気付いてよッッ!!
彼女だぞっっ!!