姿の見えない
おどり子さん
こけむした、
森の朝日の中にいる
夜の湿気を太陽が、
とろかすように
あたためて
小さな生き物
動き出す
蝶がチラチラ
水たまり
囲んで 水のむ
陽だまりで
姿の見えない
おどり子が
そおっと
とおりぬけていく
つまさき立ちで、
ほほ笑む唇
人差し指あて
こけむした
森にさしこむ
朝の陽の
あいだを軽やか
行ったり来たり