高校二年の夏休みが終わった。
正直学校なんか辞めたいと思っていた。仲の良い友達もいなく、孤独だった。俺はイジメられてる訳ではなかったが、クラスでかなり浮いていた。もしかすると、陰では相当言われてたかもしれない。俺の学校では四限目が終わると好きな者どうし集まり弁当を食べる。俺は友達もいないし教室で一人で食べるのも嫌だったので、この時間になると弁当を持って、校舎から離れにある職員室の更に奥にある便所で、恥ずかしながら飯を食っていた。二つある奥の個室に入り、しゃがんで弁当を広げる。たまに弁当を作ってくれた母親のことを思うと物凄く悲しくなったりした。俺の通う学校は進学校ではなかったので、大半の生徒は学校が終わると、街に遊びにいったりバイトをしたりという感じだった。俺は友達もいなくバイトもしてなかったため、学校が終わると直接家に帰っていた。3時30分に学校が終わって4時前には家に着いていた。何て切ない青春だろう。帰り道には綺麗な川原があった。小さな滝もあって、何故か見ると切なくなった。鍵を開けて家に入る。親は夜に帰ってくるので夜まで一人で過ごす。親は好きでもなかったから一人の方が気楽で良かった。夏休みが終わって数日たったある日、いつものように帰って自分のベッドで疲れて寝てしまった時があった。しばらくして目が覚めて時計を見ると夕方の6時頃だった。体は汗で湿っていた。少し目を瞑ったままでいると、家の隣にある公園から近所に住む子供達の笑い声が聞こえてきた。ふと窓を見て視界に映った景色は夕日に照らされて全てが輝いているように見えた。
その時に感じたのは、今まで生きてた中で感じたことのないような強烈な孤独感だった。俺はなんで生きてんだろ。
生きる意味なんてねーよ。何故か涙が止まらなかった。
それから数週間後、修学旅行があった。
今、考えるとこの時少しずつ歯車は動き出していたんだと思う。