静岡に着くと久しぶりに実家でのんびりしていた。 母は私が好きな物を沢山作って待っていてくれた。 その優しさに心が痛かった…
木村さんとの事を唯一話していた地元の親友の智枝が心配して会いに来てくれた。
智枝もまた色んな経験をしてきた女の子だった。
『大丈夫?辛かったね。でも無理に消そうとしなくてもいいと思うよ!きっと時間が解決してくれるから。どうせまだ木村さんの事好きなんでしょ?どうせだったらさぁ、好きなうちはとことん好きでいなよ!そうしないと後悔ばかりが残って前にすすめないから。』
智枝は何でもお見通しで…私が欲しい言葉をいつも言ってくれた。
「ありがと。実は未練たらたら(笑)だからアドレスとかも変えらんないの(笑)笑っちゃうよね(笑)カッコ悪いんだ私…」
そう言った私に智枝は
『カッコ悪くなんかない!それだけちゃんと恋してたんだよ。』
と言ってくれた。
私は智枝と話してとても救われた…
そうなんだ。あんなに見事に振られた私なのに…
きっぱり会社も辞めてきたのに…
携帯もアドレスも変えられない。
もしかしたら…
もしかしたら木村さんが連絡をくれるかもしれない…来るはずないって分かってても私はこの先もずっとそう思い続けた。