一旦、淳達は我が家に戻ってきた。
母親はもちろんの事、淳達も弟の身の安全を願っていた。
数週間が過ぎ、捜索願いを出していた事から、警察より弟の車を発見したと連絡が入った。
淳の故郷の隣の県のレジャー施設の駐車場にあった。すぐに取りに来て欲しいとの事だったので、淳達は迷う事なく、ゴールデンウィークを利用してまた故郷へ向かった。
とにかくあれこれ用事がある事も想定し、母親の疲れも予想がついていたので、ホテルを予約した。
一旦、実家に寄り、叔父や叔母と母親とに合流し、それぞれの車で、弟の車のあるレジャー施設に向かった。
淳達の車が先に着いたので、淳と亜子達はレジャー施設の責任者に挨拶をしに行った。
程なくしては母親達の車も到着し、叔父達に再婚の挨拶をした。
車の中には持ち物の入った鞄と携帯が置いてあった。
弟はどこに行ったのか… 大丈夫なのか…
生きる事に後ろ向きにな ってしまったのでは…
それぞれの想いの中に不安は渦巻いていた。
遠出をしたので疲れただろうと、車はもう一人の叔父が実家まで持って行く事になり、淳達は見知らぬ街を後にし、実家の近くのホテルへ向かった。