カズマを待つ間、カズマがきむだったら良かったと思った。
こんなふうに会いに来てくれたらどんなにいいだろうと思った。
同時にあの時カズマを選んでいたら良かったと思う最低な自分がいた…
その時、携帯が鳴った。
『もうすぐ着くよ。どこにいる?』
「外で待ってる。」
そういうと車のライトが近付いてきた。
カズマは車を停めて私に駆け寄った。
『遅くにごめん。でも突然いなくなってビックリすんじゃん!俺、赤井さんが泣いてる気がして…だからメーワクとかも考えないで来ちゃったよ…』
そう言ってカズマは少し照れくさそうに笑った。
私はそんなカズマに本当の事を話し始めた。
「カズマ…ごめんね。私ね、私の力で木村さんの事救えると思ったんだ。バカでしょ(笑)あの人はね、とても一途な人なの。私達と同じように恋で傷ついたんだ。そこから誰も愛せなくなったの。それを聞いて、私の力でなんとかしたいと思ったの。けど私なんて無力で…私だけが本気になって…結局余計に傷つけちゃった(笑)だから会社も辞めたの。後悔はしてないよ。だって他の人が何て言っても私にはちゃんとした素敵な恋だったから。」
カズマは最初から最後まで黙って聞いてくれた。
そしてカズマが改めて私の本心を確かめる…
『まだ好きなの?』
「うん…好きだよ。ずっと片想いだけどね(笑)」
『そっか』
と言ってカズマは会いに来てくれた本当の理由を話してくれた。