いぬの踊り場?

イツキ  2009-06-25投稿
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いつからだろう『ここにいるのは』

ここで、ぼくはいつも踊っていた。誰もいない『いぬの踊り場』で。

僕は、今年で19才になった。

ひと夏、そう思ってここにいた。
でも、気が付けば、

ひと夏もふた夏も越えて三年がたっていた。

ひと夏越えるときに、ここに『かい』がきた

『はじめまして』
そんな、どーでも、いい会話をした。
なにも、返事するわけないのに。

冗談で言ってみた。
『これ、食べるかい?』
持っていた、溶けかけた板チョコをちょこっと、あげた
すると

『パク、パク』
むしゃぶりつくように、僕の右手まで、なめまわして食べた。
おもしろくなって、また
『食べるかい?』
と言うと
うれしそうに、また食べだした。

僕はうれしくなって、持っていた板チョコを全部あげた。
『ほんとにお前はおいしそうに食べるな』
っと言うと、うれしそうに、耳を右足の後ろで掻きだした。

『もう…チョコないからかえりな』
ほんとはひとりになるのが、寂しいのに、逆のことを言ってしまう。

『クゥ〜ンッ』
また、耳を右足の後ろで掻きだした。

『チョコ…ないょ?』

しばらくして、名前を決めた。
『カイ』っと名付けた。
うれしいとき、悲しいときに、耳を右足の後ろで掻くから。

『カイ』…君はいなくならないでね。

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