放課後、アトリエに集まった僕らは、クローバー畑を使うセットを優先的に作っていった。
そんな中、恋歌が
「あ〜、それにしても、今日はなんだかいい気分だよね〜。まさかトーマとちさが…」
言いかけたところを
「恋歌!」
遮った。
響は、黙々と作業をしている。
「なに?」
「あ…いや…」
「なによ〜…。あ、ここ、黄色より水色が良くない?空の色で…雲作ろうか?」
この無駄口がなければ、いい仕事すんのにな。恋歌。
作業するみんなを見ながらふと思った。
…みんな、響の気持ちには気付いていないのか…?
いや、俺だって確かめた事はない。
単なる仮定だし、推測でしかない。
でも、どうして、俺は響に後ろめたさを感じるんだろう。
響の横顔を直視できない。
響はその日から、バイトを理由に、アトリエに来なくなった。
細かい絵コンテは、家で作成して、時々恋歌に渡してきた。
授業で会う事はあっても、響は僕と恋歌から離れて座った。