…プルルル…プルルル…
ハッと大輔は携帯が鳴っているのに気が付いた。
時計を見るといつの間にか12時を過ぎていた。
するとお腹もグゥーと鳴った。そういえば朝食もまだだった。
そんなことより電話だ。
また電話すると言っていたから翔太だろう、と電話に出た。
「もしもし大輔?」
しかし、予想外にも女性の声がした。
「えっ…?どちら様ですか?」
「何?!私の声をわすれたの?」
女性は少し怒ってみせた。大輔はその口調と甲高い声でようやく電話主の正体がわかった。
「ミ…ミサトか?」
「正解。やっとわかったの?幼なじみの私の声を忘れるなんてガッカリよ。」
電話主の正体は神崎美里、大輔とは幼なじみで都内の大学で心理学を学んでいる。
「忘れたわけじゃないよ。翔太からだと思っていたから、少し驚いただけさ。」
「まぁいいわ、許してあげる。……そんなことよりも…ニュース見たわよね?」その問いかけで大輔は現実に戻された。
「…あぁ。いったい誰があんな酷いことを…。何が目的なんだ?」
「目的はわからないけど、たぶん次に殺されるのは私たちね。」
美里の衝撃的な発言は大輔をまごつかせた。