雨が嫌いだ。
雨は気分を憂鬱にさせるし、洗濯物を乾かしてくれない。
ズボンの裾を汚してしまうし、運動会を中止させてしまう。
でも嫌な事ばかりだろうか。
ある雨の日ふと立ち止まってみる。
どこか懐かしい雨の匂い。どこからともなく現れるカタツムリ。
雨のカーテンを通して見る紫陽花は何かいっそう綺麗に見える。
現代はとにかくせわしない。
何でも揃うこの時代の欠点は目の前にある素晴らしい物に気付かないこと。
肩の力を抜き、違った視線で見てみれば、嫌な嫌な雨もきっと、雄大な自然のメッセージへと姿を変えるだろう。